【中国雑感コラム】北海道流氷ツアー

作者:TJCC日付:2023-03-31 13:35:04

中国雑感コラム「北海道流氷ツアー」

3月上旬に「北海道流氷ツアー」に参加しました。北海道知床半島のオホーツク側周辺だけにできる特殊な現象で、毎年1月下旬頃から3月上旬くらいまでの間、海水の凍った大きな塊が海岸沿いに流れ着き一面埋め尽くされ美しい景観となります。

オホーツク海の流氷のできる仕組みは諸説あるようですが、①シベリアからの零下40度にも達する寒気と、②ロシアのアムール川から流れ込む水により低塩分密度層と高塩分密度層の2層構造になり、低塩分密度層が凍る。そして、③千島列島、カムチャッカ半島やサハリン等に囲まれたオホーツク海に冬の北風が吹いて知床半島にやって来ると考えられています。また、流氷は観光資源だけでなく、豊富なプランクトンなどが付着しており、豊かな生態系を作り上げています。

1日目、北海道オホーツク海側真ん中当たりの紋別港から砕氷船“ガリンコ号”に乗るも流氷は見られず。(“ガリンコ号の乗務員さんによると2日前までは流氷があったとのこと、残念!)流氷は風により一晩で20kmも移動するとのことで、夜の間に北風が吹くことを祈り2日目を迎える。

2日目は知床半島ウトロ港から“オーロラ号”で遂に一面流氷の中へ、その荘厳さに感激しました。“オーロラ号”は大きな砕氷船で、多くの観光客が乗船しており、見晴らしのよい写真スポットであるデッキの位置取りにも苦労する状況でした。そのようななか、「很冷、下雪了!」など中国語が飛び交っているではないですか。まだ中国からは団体旅行は扱われていないため、若いカップルや家族連れが中心で、北海道の最果てでも中国語を聞くことができ、少し驚きでした。

温暖化が急速に進む近年、今後も毎年流氷を見ることができるのかと、心配しながら女満別空港から東京に向かいました。(NT)

 

TJCCコンサルティンググループ 田辺尚裕