【会計税務】VOCs排出が全面的に環境保護税の課税範囲に2027年より試行開始

作者:TJCC日付:2026-08-26 13:17:00

202678日に財政部、税務総局、生態環境部の連名で「揮発性有機化合物への環境保護税徴収試行実施弁法」(財税〔202650号)が公布されました。これは、中国が推進するグリーン税制において、揮発性有機化合物(VOCs)への管理対策が新段階に入ったことの表れと言えます。公布された弁法は202711日から施行されます。その主なポイントを以下にまとめました。

①徴収範囲および対象の明確化

弁法では、VOCs全体が1類の大気汚染物質として単独で環境保護税の課税対象とされた。最初に試行対象となるのは、VOCs排出量が工業由来の総排出量の70%以上を占める8つの重点業種に集中している。対象業種は印刷業、石油石炭およびその他燃料加工業、化学原料および化学製品製造業、医薬品製造業、製鉄製鋼業、汎用設備製造業、専用設備製造業、自動車製造業の8つ。企業が汚染物排出許可管理対象に属していない場合、或いは汚染物排出許可証にてVOCs排出標識がされていない場合、環境保護税は当面徴収されない。

 

②税額基準および税額計算根拠の設定

VOCsは煙突等の固定された排気口を経由しない排出が多く、処理コストが高いという特徴があるが、それを踏まえた上で、弁法では税額は汚染当量1単位あたり8元~12元という幅が設定されている。具体的な適用額は省レベルの人民政府から決定される。また1汚染当量は0.95kgと定められている。課税対象排出量の計算時にはベンゼン、ホルムアルデヒド等、すでに単一物質ごとに課税されている18種類のVOCs排出量を控除することで重複課税が避けられている。

<計算例>

ある企業の当期VOCs総排出量が200kg、そのうちベンゼン排出量60kg、ホルムアルデヒド排出量40kgだった場合。(ベンゼン、ホルムアルデヒドはすでに課税されていた18種類に該当)

  • VOCs課税対象排出量 = 200kg – 60kg – 40kg 100kg
  • 汚染当量数 = 100kg ÷ 0.95kg ≒ 105.3
  • 納税額 = 105.3 × 所在地の汚染当量1単位あたりの設定税額
        (汚染当量1単位あたり10元の場合は105.3×10 ≒ 1,053元となる)

 

③税収優遇およびインセンティブの強化

「排出が多ければ納税が多くなり、排出が少なければ納税が少なくなる」という体制構築に向けて、生態環境主管部門から国家重点業種大気環境功績A級と評価された納税者に対しては50%額に軽減して徴税を行なう。B級と評価されて納税者については75%額に軽減する。こうした税制上の仕組みを用いて、企業に対してVOCsの少ない原材料への切替えや、生産工程全体での排出管理を促す。

<計算例(上述の例の企業の場合)>

  • A級と評価された場合は50%額で軽減徴収 = 1,053 × 50 ≒ 527
  • B級と評価された場合は75%額で軽減徴収 = 1,053 × 75 ≒ 790

 

④徴収管理および算定メカニズムの規範化

複雑な排出源項目に対応するため、排出量の計算には分類に応じた各種計算方式が設定された。税金は四半期ごとに申告納付し、税務機関と生態環境主管部門が共同監督管理・情報共有を実施する。こうした体制により的確な汚染対策とコンプライアンスを重視した徴収管理を確保する。

関連する企業においては、自社が試行対象範囲に含まれるかを速やかに確認して排出量算定台帳を事前に整備するとともに、国家重点業種大気環境功績のAB級の基準と照らして排出削減に取り組み、税額の軽減徴収の適用を目指すようになさってください。