【人事労務】9/15施行の「出境入境管理規定」に関して
作者:TJCC日付:2026-09-14 16:18:43
国務院から出された『出入国管理規定』が9月15日から施行されることに関して、「中国への出入国に厳しい規制がかかるらしいが今後どうしたらよいでしょうか?」という旨の問合せを多くいただいています。
今回施行される『国務院 出入国管理規定』に関しては、規定内で示された「中国からの出国を認めない状況」等の条項を、拡大解釈して報道したメディアもあり、実際の規定内容よりも「中国政府が出入国を厳格管理して大変なことになるのでは?」という認識が広がっている状況も一部見られます。
実際には、今回の規定は2013年の出入国管理法施行以降の13年間の出入国管理で新たに生じた課題点に対して実施される通常的な改正であり、その主な枠組みは下記2点にまとめられます。
・出国する中国国民の保護:戦争/紛争、詐欺等のリスクが高い国/地域に対するリスク警告を強化し、必要に応じて渡航勧告等の措置を取る。(中国国民の安全保護を目的としたもの)
・違法行為の規制:出入国に関わる虚偽資料の提出、不法出入国、国家安全を脅かす行為、規定に反する技術輸出といった違法行為に対して制限措置を取る。
そこで、最近よく見られる質問点について、下記に分析内容とともにまとめてみました。何か疑問点や心配な点があれば、弊社までご連絡頂ければと思います。
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【中国からの出国関連】
①「一般人の中国からの出国が難しくなり、鎖国のような状態になってしまうのでは?」
新規定の内容を見ると、合法的な出入国を制限するものではなく、虚偽の出国理由、虚偽資料による証明書申請、出国目的が詐欺やオンライン賭博、不法就労等に関わっている場合等のみを制限対象とすることが示されているため、通常の旅行、親族訪問、留学、ビジネス出国が制限されることは考えにくい。
②「出国時に出国目的を聞かれるのは、難癖をつけて出国拒否を可能にするためではないのか?」
「規定」では、出国理由が真実かつ合法でなければならないことが示されている。移民管理機関が身分や出国目的の確認、申請者への関連資料提出や協力を求める権限を有することは、2013年の『出境入境管理法』ですでに存在しており、今回の規定ではその内容の明確化が行われたに過ぎない。規定に則って考えれば、虚偽説明、資料偽造、違法な出国目的が疑われる場合にしか、証明書の不発給や出国不許可等の対応がとられる可能性は発生しないと考えられる。
③「中国から出国理由が技術に関連していると出国が制限されてしまう恐れがあるのでは?」
規定で示された出国制限は、輸出管理や技術輸出入規定に違反し、国の産業安全・技術安全に影響する可能性がある特定の人員を対象にすると示されているため、通常の技術交流や学術訪問が影響を受けることはないと考えられる。
【中国への入国関連】
④「新規定で入国不許可状況が拡大されることで、外国人の入国を自由に拒否できるようになるでは?」
入国不許可の基本的な状況は2013年施行の「出境入境管理法」に基づいて扱われる。今回の規定は、既存の法律上の授権に基づく執行基準が具体化されたにすぎず、根拠なく多くの入国拒否理由が追加されたという内容にはなっていないため、質問にあるような状況になるとは考えにくい。
⑤「外国人の入国が全面厳格化され、通常の観光ビザや商務ビザも多くが拒否されると聞いたが…」
新規定では虚偽申請、ビザ詐取、不法入国者といった行為への管理強化は図られているものの、ビザ免除政策や通常のビザ区分に関するルールは変更されていないため、入国目的が真実かつ合法で、資料がそろっている外国人の中国ビザ申請には影響しないと考えられる。
⑥「小さな違法記録1つあるだけでも中国への入国が永久禁止される可能性があると聞いた」
今回の規定はこうした違法記録ついて1~5年の入国禁止を科すことが示されたものの、永久禁止ではなく、期間満了後に条件を満たせば、ビザを申請して入国することが可能と考えられる。
※別法律/規定等で「10年入国不可」などと規定されている状況は除く。
⑦「招聘状を発行した中国側企業は、その外国人の中国入国後の全行為に法的責任を負う?」
招聘企業は招聘状の内容および申請資料の真実性に対してのみ責任を負うとされているため、外国人が中国入国後に違法行為を行った場合は、その外国人本人が法的責任を負うこととなり、例えば、不法就労状況を知りながら雇用したり等、企業自身が違法活動に関与している場合を除き、企業がその全責任を連帯して負うことにはならない。
⑧「外国人の中国入国後のビザ滞在期間や居留許可期間が短縮されると聞いたが…」
ビザの有効期間、滞在期間、居留許可の期限に関するルールは変更されておらず、引き続き「出境入境管理法」および主管機関の従来規定に基づき執行されるため、新規定により中国国内での滞在・居留期間が変わる事態にはならないと考えられる。
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上記の質問点でまとめたように、今回の規定で厳格な規制が課されるようになるのは、犯罪行為、国家安全を脅かす行為、違法な技術移転等を行なった人員だけが対象になるとされており、法令を遵守している一般の渡航者(中国人、外国人を問わず)については、9 月 15 日以降も出入国に関して基本的に大きな変化を感じるものではないと考えられます。

