【通関貿易】AEO認証の再認証審査において、不合格とならないよう注意すべき点は?
作者:TJCC日付:2026-10-09 15:30:00
中国では2026年4月1日より修正版の「中華人民共和国 税関登録・届出企業信用管理弁法」(税関総署令第282号)が施行されており、税関による企業信用管理が大きく変化しました。この弁法の第22条では、税関は高級認証企業に対して5年ごとに1回の再認証審査を行い、認証企業については企業信用評価の結果に基づいて再審査を実施することが示されています。企業が再認証審査を受ける際に、どのような問題に注意すべきなのか、また再認証審査で陥りやすい「落とし穴」にはどのようなものがあるのか、企業が注意すべき点を以下に整理してみたいと思います。
1. 制度内容と実際の状況の乖離
会社の制度と実際の運用及び届出情報が一致していなかったり、業務の変化に合わせて更新されていなかったりする状況がないか注意が必要。
(1)会社制度は整備しているものの、実際の執行状況が全く一致していない。
(2)実際の業務運用状況や法規根拠がすでに変化しているのに、会社制度を業務に合わせて適時更新していない。(例えば、紙ベースの登録から顔認証システムに変更されたのに制度を更新していない等)
(3)企業情報に変更が生じているのに(例えば連絡担当者の電話番号が変更されている)、税関登録情報を適時更新しておらず、税関から企業に連絡できない状態にある。
(4)業務プロセスが、事前に設定された証憑・データの流れのロジックと一致しておらず、システム上の入出荷データ、倉庫台帳、財務帳簿、通関申告書類を1つずつ相互に裏付けることができない。
2. 内部監査が形式化していて、問題の再発が繰り返されていないか
内部監査は実施しているものの形式的なものにとどまり、発見された問題を徹底的に是正していないため、同類の問題が再発していたり、鍵となる記録が漏れていたりする状況に注意が必要。
(1)内部監査が過度に形式化していて、毎年報告書を作成しているものの、発見された問題点の徹底改善を行なっておらず、同じ問題が毎年繰り返し発生している。
(2)ファイル管理が乱れていて、重要書類の貸出に関して適切な引継ぎができていなかったり、紛失が発生したりしている。もしくは書類の保管期間基準を満たしていない。(記録が基準を満たしていない)
(3)書類の再確認が形式的で、実質的には再確認していなかったり、あとから確認したりしている。もしくは再確認しないまま申告したり、書類作成者と再確認者が同一人物だったりしている。再確認記録から有効な内部統制を確認できない状態。
(4)敏感な職位に就く従業員に対して、入社時しか背景調査を行っておらず、入社後に規定に沿って定期調査をしていなかったり、事由発生時の調査を実施していなかったり等、人員安全に関する定期調査記録が欠落している。
(5)禁止類・制限類の製品に関するコンプライアンス審査制度、作業プロセス、審査記録が抜けていたり、不完全であったりする。
3. 情報システムの不備、場所の安全管理・貿易上安全管理の欠陥
安全管理の実施が不十分で、また情報システムが全プロセスを適切に追跡・遡及管理できていない状況がないかに注意が必要。
(1)施設の安全制度が実際の運用状況と乖離していて、税関から監視カメラ映像や記録を確認された際に、来訪者や車両の出入り管理が適切でないことが見つかる。
(2)情報システムが不完全、ウォークスルーテストを適切に実施できていなかったり、データ保存期間が業務上の必要性を満たせていなかったりする。
(3)コンテナまたはバン型トラックなどの輸送手段に対して十分な「7点検査法」が実施されていなかったり、輸出時の積込監督が基準どおり実施されていなかったり、完全な記録がなかったりする。税関から監視カメラ映像を確認された時点で、実行状況が基準を満たしていないことが判明する。(施設安全・監視記録に関する欠陥)
4. 臨時的な「再認証審査」を誘発する可能性のある重大な問題
税関からの信用に影響する財務、税金、取引先の問題および法的最低ラインの問題があると、格下げや臨時的な再認証審査を誘発しやすい点に注意が必要。
(1)税金の納付遅延(通関業者の税金納付通知不備で法定期限の15営業日を超過等)がある。
(2)サプライヤーの貿易安全評価を形式的にしか行っていなかったために、サプライヤーがすでに信用失墜企業リストに掲載されていても気づかず対応措置を取っていない。
(3)財務指標が基準を満たしていなかったり、監査報告書に否定的意見が付けられていたりする。
(4)委託先の代理通関企業の信用状態を確認しておらず、信用失墜企業に対して申告業務を委託している。
(5)税関による査察や審査時に税関へ虚偽の状況を提供したり事実を隠したりする。
(6)企業に税関職員に対する贈賄の記録がある。

