【中国雑感コラム】甘いお茶

作者:TJCC日付:2021-10-29 10:24:00

中国雑感コラム「 甘いお茶 」

日本に帰任して早一年が経過し、中国での生活が懐かしく思い起こされる。よくコンビニでペットボトルのお茶を買うが、日本では中国のように砂糖の入ったお茶は皆無である。中国滞在時は昼食後、毎日ペットボトルのお茶を買って飲んでいたが、“無糖”のお茶を探すのに苦労した。“低糖”、“微糖”と書かれたものもあるが、いずれも十分甘いものであった。

そもそも、日本のお茶は遣唐使により、中国から伝来したことが起源といわれている。そのときに伝わったお茶の流儀が『お茶は茶葉そのものの香りを楽しむもの』というもので、その習慣が日本にも広まったことから、砂糖を入れずに飲むようになったと考えられる。但し紅茶には砂糖を入れるのが一般的ではある。

当然、発祥地の中国には、茶葉の発酵度合いにより様々なお茶が存在し(龍井茶、烏龍茶、紅茶、普洱茶、ジャスミン茶等)、流儀や香りを楽しむ機会は日本よりはるかに多く、紅茶でさえ砂糖を入れることはない。ところが、ペットボトルのお茶となると、事情は一変する。殆どのペットボトルのお茶は砂糖が入っており、サントリーのウーロン茶でさえ“無糖”と“微糖”の2種類が存在している。

なぜ中国のペットボトルのお茶には砂糖が入っているのだろうか?その理由は定かではないが、お茶は日頃の疲れをとる意味があり、疲労回復のために糖分を多く入れる傾向があると同時に、高級品である砂糖、糖分を摂ることにより、満足感を得たい、贅沢さを味わいたいという意味や思いがあるのではないかと思われる。

またタイやベトナムなどでは紅茶や緑茶に大量の砂糖を入れて飲むし、インドの紅茶は甘くて濃いチャイなどが有名である。日本にいるとお茶は甘くないものというイメージが普通なのだが、グローバルに見るとそれは不思議であり、日本以外の国のお茶事情は、糖分をたっぷりと入れて飲むのが ごく一般的で、糖分なしのお茶を好む日本人はごく少数派と言えるのである。(NT)

 

TJCCコンサルティンググループ 田辺尚裕