【中国雑感コラム】北京冬季五輪報奨金事情

作者:TJCC日付:2022-03-28 10:48:00

中国雑感コラム「北京冬季五輪報奨金事情」

北京2022オリンピックは109種目が行われ、多くの感動をもたらし2月20日終了しました。金メダル獲得状況をみると、北欧ノルウェー(16個)が最も多く、次いでドイツ(12個)、中国(9個)、アメリカ(8個)と続きます。日本も健闘し金メダル3、銀メダル6、銅メダル9、合計過去最多の18個のメダルを獲得しました。

メダルを獲得した日本代表選手には、その栄誉をたたえて日本オリンピック委員会から報奨金として「金」は500万円、「銀」は200万円、「銅」は100万円が贈られます。その報奨金事情を世界各国と比較してみました。(下記表)

まず目を引くのはシンガポールで、金メダリストに贈られる約8480万円は際立っています。“五輪大国”のアメリカは金メダルで約430万円、銀メダルで約260万円、銅メダルで約170万円と日本と近い金額となっています。韓国は「金」で約610万円、「銀」で約340万円、「銅」は約240万円と日本と比較するとやや高い水準です。さらにこれに加え、メダリストたちには年金の加算支給や男性選手の場合は兵役免除といった“インセンティブ”も与えられるということで、報奨金以外でも破格の待遇が韓国の特徴です。

中国は国家体育総局から金メダリストに報奨金が贈られ、額は1つの金メダルに対し約360万~900万円ということです。近年、「国」からの報奨金の額が下がる傾向にあり、選手の出身地の地元政府が積極的にお祝い金を出す傾向もあるということです。

各国の競技団体から別途、報奨金が贈られるケースもあり、一概に比較はできませんが、各国の姿勢が垣間見えるデータです。

平和の祭典であるオリンピックに続きパラリンピックが行われている中で、ロシアによるウクライナ侵攻という悲劇が起こっています。両国と関係が深い大国である中国の仲裁が期待されていますが、残念ながら現在のところ積極的な動きは見られていません。(NT)

 

TJCCコンサルティンググループ 田辺尚裕