【中国雑感コラム】旅行・観光開発ランキングで日本が1位に

作者:TJCC日付:2022-07-29 10:53:00

中国雑感コラム「旅行・観光開発ランキングで日本が1位に」

2年半を超えるコロナ禍、そしてウクライナ戦争と、海外旅行はなかなか困難な状況にあるが、今般世界経済フォーラム(World Economif Forum:WEF)が発表した2021年版「旅行・観光開発ランキング(Travel & Tourism Development Index)」で日本が総合評価で初の世界1位に輝いた。

117の国と地域が対象となった今回の総合ランキングは「1.環境整備」「2.旅行・観光政策と実現条件」「3.インフラ」「4.旅行・観光の需要喚起」「5.旅行と観光の持続性」の5つのカテゴリーで評価されている。1位の日本のほか(前回2019年は2位)、アジア太平洋地域からはオーストラリア(7位)、シンガポール(9位)がトップ10入り。2位のアメリカ合衆国を除けば、スペイン(3位)、フランス(4位)、ドイツ(5位)、スイス(6位)、イギリス(8位)、イタリア(10位)と、10位までにはずらりと欧州の国が並ぶ。また中国は12位(前回から3ランクアップ)、韓国15位(前回から4ランクアップ)と上昇してきている。

日本は「インフラ」と「旅行・観光の需要喚起」で3位にランクしており日本の強みと言える。「旅行・観光の需要喚起」とは、いわゆるその国・地域に「旅行したい理由」があるかどうかを示す指標である。

一方、順位やスコアが低い項目である「弱点」に関して「価格競争力」が日本は96位と低い。ほかに「環境の持続可能性」や気候変動への対応に関する評価が低く改善が求められる。また同じく「旅行・観光需要に対する圧力と影響」すなわち目的地の分散化やオーバーツーリズムの問題にいかに対処できているか、旅行者と地域住民双方が満足できる持続可能な観光への取組みも今後の課題と言える。

今後数年の間に旅行・観光を包括的で持続的、かつ力強いものにするための戦略づくりは、世界全体で、そして日本において極めて重要になるだろう。

2019年まで年間3千万人を超える訪日外国人の中で、中国からの入国者は1千万人近くを占め圧倒的な数を誇り、街のあらゆる所で中国語が飛び交い、日本の観光産業に莫大な貢献した頃が早く戻ることを祈りたい。(NT)

 

TJCCコンサルティンググループ 田辺尚裕