【中国雑感コラム】魅力いっぱいの高速道路サービスエリア

中国雑感コラム「魅力いっぱいの高速道路サービスエリア」

中国の高速道路サービスエリア（SA）は、ちょっと前まではお世辞にも綺麗とは言えず、店も購買意欲をそそらず、あくまでも "トイレに立ち寄る" という用途のためだけに作られたような場所ばかりで良い印象はありませんでした。

それが、近年では全国のSAが次々にリニューアルされ、清潔で使い勝手の良い環境の所が増えつつあるようです。例えば北京市郊外の窦店（Doudian）SAは従来の中国のSAとは全然違い、大変綺麗で使いやすいとのことで、今後このようなSAが全国的に拡大することでしょう。

日本のSAも昔は給油や“トイレ休憩”の場所でしたが、今や激変しており、中国とは比べものになりません。2005年の旧日本道路公団の民営化以降、各社独自の多角的な経営の展開が可能となり、地域に根差した郷土料理やB級グルメの提供、宿泊施設やドッグランなどの併設など、変化が見られるようになってきました。また、地域活性化のためにSAと一体型の商業・レクリエーション施設なども全国各地で整備・建設されるようになりました。

その筆頭が愛知県刈谷市にある伊勢湾岸自動車道の“刈谷ハイウェイオアシス”でしょう。観覧車や天然温泉が併設されるなど大きな変貌を遂げています。民営化によって競争が激化し、他との差別化のため地元の特産品をそろえるなど、地域密着型のサービスを提供し地域経済の活性化にもつながっています。一般道からも入場でき、サービスエリアというより今や“総合テーマパーク”です。そのほか、東名の「EXPASA海老名」、関越の「寄居 星の王子さまPA」、東北自動車道の「鬼平江戸処」など、全国に魅力いっぱいのサービスエリアがあり、これから行楽の秋のドライブを楽しくしてくれます。（NT）

TJCCコンサルティンググループ　田辺尚裕